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河村康彦のブログ

2008年08月08日

クルマも夏バテ

朝から灼熱“どピーカン”の中、昨日に引き続いての2台の取材。という事で、昨日1日をメインに乗ったM3クーペDCTからスイッチし、今日はRS6アバントを重点的に。で、東名高速の豊川インターにほど近いホテルを出発し、まず向かったのはそこから30分ほどのところにある三河湾沿いのサーキット。1周1・5km強のコースは比較的低速かつ”定常円旋回”が主体のレイアウトで、正直なところ一般市販の4輪車チェックに向いているとは思えないものの、それでも誰にも気兼ねなくフルアクセルを試す事が出来るという点ではやはり貴重な場。

ところが、そんなロケーションでのRS6はいささか精彩を欠く結果に。1・3トン近い前輪荷重が招くアンダーステアは予想と覚悟をしていたものの、それ以前に走り始めるとたちまちエンジン冷却水温がレッドゾーンへと近づき、オーバーヒートを避けるためにATが早めアップシフトを行う“セーフモード”を選択する事で全力加速が行えなくなるのが大問題。前述のように速度が乗りにくいコースゆえに冷却エアが不足気味となるらしく、一旦クールダウンを行っても2周もすればこうした現象が再発。そういえば、実は同様現象は富士スピードウェイで行われた試乗会の際にも起きていたもの。というわけで、どうやら今回の個体に限らず夏のサーキットでの全開走行はかなり厳しそうなのがこのモデル。

ハイパフォーマンス・エンジン搭載といえどもエンジンフードやフロントフェンダーにエア・アウトレットが加えられたわけではないから、2基のターボチャージャーに2組のインタークーラーが与えられた5リッター10気筒ユニット搭載でギッシリ状態のエンジンルームからの“空気の抜け”は見るからにタイトそう。加えて、一見ではかなりの大面積に見える“シングルフレーム・グリル”もその中央部分をバンパー構造体が横切っていたりするので、吸気用の開口部も実はさほどの大きさではナシ。というわけで、「吸う」のも「吐く」のもちょっと辛そうなこのモデルの心臓は、やはり暑さには弱い模様。タップリ風を受けられるアウトバーンを、有り余るパワーを見せつけながらオーバー200km/hで素っ飛んで行くというのが「RS6ならでは」の使い方なんでしょうね。

という事で実際、全ての取材が終了してからの帰路の高速道路では、そんなRS6本来のゆとりの走りのシーンを満喫。ミリ波レーダー式の前車追従機能付きクルーズ・コントールをセットしてのペダル操作から開放されたクルージングは、何とも快適&楽チンでありましたよ。

それにしてもこのモデル、「一体いくらに見える?」とたまたまこの日に会った知人たち(いずれもそれなりには”クルマ好き”)に尋ねた結果は、中学男子、30歳代男子、そして30歳代女子という3人の回答はそれぞれ「800万円」、「500万円」、「400万円」という“時価”を大きく下回る惨憺たる有様。なるほどな〜、このあたりがこれからの“日本のアウディ”が挑んでいかなければ課題かな〜。RS6アバント、ホントは1660万円もするんだけどな〜・・・。


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2008年08月07日

踏んでくれるナ!?

昨晩ピックアップの『BMW M3クーペ ダブル・クラッチ・トランスミッション(ドライブロジック付き)』なる正式名称は超長いモデルに乗って、早朝の中央道を一路名古屋方面へ。双葉S.A.@山梨県にて編集&カメラ氏が乗るもう一台の取材車=アウディRS6アバントと合流の後、飯田I.C.@長野県で降りてからは一般道を太平洋方面へと南下。というわけで、今日と明日の2日間は某月刊専門誌の取材。ちなみに、そんな2台だけでも「合計で18気筒と1000ps! 価格は2710万円!!」という豪華版。途中で頻繁に乗り換えをするとどうしても印象が希薄になってしまいそうなので、今日は出来る限りM3の方に“専念”をする事に。

で、「BMW初のDCTの出来栄えは一体どうなのよ!?」と、きっと皆サンそれを知りたいに違いないのは承知の上で、今回ばかりはそこのところをまだちょっと伏せておく事に。だって、すでにモデル自体は従来から存在しているM3だけに、原稿のキモは新設定のDCT部分に集中せざるを得ないんだもん・・・。でも、ちょっとだけ披露してしまえば、例えば駆動ギア比の刻み方を見るだけでも「まずは燃費効率を重視してきた他車のDCTとは考え方が根本から違う」と分かるのがこのモデルのDCT。興味のある人はご自分でシコシコとトランスミッションの各ギア比とデフ比を掛け合わせ、オーバーオール・レシオをMT車のそれと比べてみて下さいナ(笑)

ちなみに昨日、M社のプロダクト・マネージャー氏は「DCT車の“左足ブレーキング”は推奨も禁止もしない」と言っていたけれど、実際のモデルに採用のブレーキペダルはご覧のようにMT車のそれと同様の小ささ。通常の2ペダル車が、左足でのブレーキ使用を意識した(に違いない)大判のペダルを用いるのに対して、これではまるで「左では踏んでくれるな!」と叫んでいるかのよう。そういえばこのクルマ、信号停車後にブレーキペダルから足を離してもクリープ力は発生せず、アクセルペダルを軽くクリックすると初めてそれが発生という”ロースピード・アシスタント”なる孤高?のロジックも採用。M社って本当に「他人と同じ」はキライなのね。


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2008年08月06日

ビミョーに違う・・・

限定版ボクスター『RS60』を返却すべく、まずはポルシェジャパンのオフィスへ。ちなみにこの個体、総走行距離が2000kmチョイとまだ新車状態であったためか、3万km超えのウチのワニ助に比べると「同エンジン/同トランスミッションで同等重量」なのに明らかにパワーの伸び感が物足りず。その上、同じようなモードで走ってもネンピも1割強はワニ助に及ばない印象。スペシャル・エキゾースト系の採用で額面パワーは300ps超えをマークしたものの、ワニ助がカタログ値通りの295psだとしたらむしろ「体感的には280ps程度」という感触・・・。

もっとも、思い返せば新車で納車当時のワニ助も同様のフィーリングだったもの。高回転域でのパワーの伸びがシャープさを増し、同時に燃費も明確に向上してきたのはおよそ1万kmを走破してから。すなわち、今回もこのボクスターが不調というわけでは決してないはず。それにしても、911シリーズに遠慮(!)をして300psの大台直前で踏み止まっていたケイマン/ボクスター用の3・4リッター・エンジンは、排気系の抵抗をちょっと“開放”してやるだけで、やっぱり軽く300psの社内自主規制値(?)を飛び越えちゃうんですナ(笑)。

ところで、ウチのワニ助とこの最新ボクスターの間には、2006年式と2008年式というモデルイヤーと、右と左というステアリング位置の違いに起因すると思われるビミョーな違いも発見。ズボンのポケットに入れてしゃがみ込むと意図せずにボタンが“長押し”されて前後のリッドが開いてしまう事のあったリモコンキーの形状は、今度は「敢えて指先で押さないと信号が出ない」デザインに改良されていたし、ブレーキ・ブースターの位置違いによってフロント・トランクルーム内の形状も異なるもの。もっとも、後者はご覧のような部分の違いなので、実際の使い勝手上では殆ど影響はナシ。ちなみに写真は、いずれも「上がRS60で下がワニ助(ケイマンS、右ハン)」。







というわけで、そんなボクスターを返却の後は電車に乗って東京駅の真ん前という、日本のポールポジションに位置するBMWジャパンのオフィスへ移動。ちょうどドイツ本国から訪れていた“M社”のプロダクト・マネージメントのボスに軽いレクチャーを受けてから借り出したのは、最新のデュアル・クラッチ・トランスミッションを搭載のM3クーペという、テストドライブが何とも待望久しかった最新モデル!
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2008年08月05日

日産の7速AT車に初乗り!?

「駐車場はありません」という“事前通告”に加え、例の首都高事故の影響で道路事情が読みにくい事もあり、電車を乗り継ぎ、再度乗り継ぎ、その上最後はバスに乗り継いでようやく到着となったのは日産の追浜工場。“おっぱま”なんて聞いた事もないという人は少なくなくても、『八景島シーパラダイス』という横浜の遊園地名には聞き覚えがあるという人は多いはず。実は追浜工場は、そんなシーパラの対岸という位置関係。で、そんな工場敷地に隣接するテストコースを、ユーザーとのコミュニーケションの場として活用する目的も含めて再整備。ちょうど1年前の昨年9月に、総投資額 27億円を掛けてオープンさせたというのが『グランドライブ』なる新名称を与えられた試験場。

そんな新試験場を用いての試乗と一部工場施設の見学から成るのが、『先進技術説明会&試乗会2008』という長〜いタイトルを与えられた今日のイベント。実はこのノリの日産イベントはこのところ毎年開催されていて、今回で確か3回目か4回目になるはず。

例年同様に用意されたメニューは盛りだくさん。試乗車だけでもハイブリッド・モデルにピュアEV、さらには日産イチ推し?の“エコペダル”装着車に車線変更時の側方死角内にあるクルマへの接触を予防する“サイド・コリジョン・プリベンション”採用モデル等々。というわけで、色々と興味深いものが山積みだけれど、そこは数十名に及ぶゲストを分単位で様々なコーナーへと回さなければならないため、何とも慌しいイベント運営となるのは止む無し。でも、エンジニア氏に質問中でもそれを中断されて無理矢理次のコーナーへと移動させられるこうした“トコロテン方式”では、本当に上っ面の情報しか分かりませんナ。

そうした事情ゆえ、次回からは「事前に興味あるコーナーを指名させてもらって、そこに重点的に時間を割いてもらう」といった方式に改められないものか? ・・・って、そんな事をするといくつかのメニューに人気が“一極集中”しそうなのは目に見えているのだけれど・・・。

というわけで、結局は終了時刻がやってきて何だか消化不良のままに帰路に着くというのもこれまた例年通りの展開。例えば、もしかするとアクセル踏力を可変にして省燃費ドライブを促す“エコペダル”なんかは画期的な技術かもしれないものの、「現状では交通状況や道路勾配などを配慮しての敷居値変更は行っていない」というから、実際の使用時にはドライバーに対して逆に無用なストレスを与える可能性だって考えられるもの。それゆえ、平坦なコースをチョイ乗りしただけでこれを評価しろ、と言われても、それは自分にはやっぱりムリな相談・・・。

一方で、“本邦初公開”のアイテムなのに特にその説明がなかったため、きっと殆どの参加者が情報をスルーしてしまったに違いないのが日産車初の7速AT。実は、スカイライン・ハイブリッドにこっそり(?)搭載されていたのがJATOCO製のこのトランスミッション。何とも旧態依然としたシステムのまま長らく使われてきた5速AT搭載の日産車とオサラバ出来るまで、これでいよいよ秒読み段階というワケですナ(笑)



遊星歯車式縦置きTMの”上流”にモーターとクラッチを配するのは、ポルシェ/アウディ方式と同様のハイブリッド・システム。TM出口にもクラッチを置き、”空走”時の走行抵抗を減らすところがミソ!

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2008年07月31日

”複雑”な1日

まずは電車でポルシェ・ジャパン。そこから広報車両をピックアップして向かったのは、“みなとみらい”地区にあるとあるホテル。で、ここで開催されていたのは『C30ラッピングカー』の試乗会。そもそも“ボルボ離れ”(?)をしたキュートなルックスが売り物のC30をベースに、特殊なフィルムを使って文字通りラッピングを施したというのがこのモデル。「でも、乗ってしまえばフツーのC30でしょ」というわけで、失礼ながら今回はその外観のみを拝見させて貰う事に。

会場へと到着をすると・・・居ました居ました、ど派手なC30たちが。どうやら取材メディアの入れ替え時間らしく、試作をされた全6パターンのモデルが基地へと戻ってきている運の良いタイミング。で、その印象はというと、これはなかなか評価が難しそう。確かに面白い事は面白いけれど、でも“コンプリートカー”として新車を用意して貰わなくても、やりたい人は自分で好き勝手やれば良いのでは? という感も無くはなし。気になるのは、フィルム処理を行った部分の表面質感が、やはり塗装には遠く及ばないところ。というわけで、結局の成否は価格次第という事になるのでは。

向こうの端にRS60・・・

次に向かうはそこからほんの2ブロックほど離れた美術館をベースに開催中の、アウディA4アバント試乗会の会場。セダン比でほとんど変わらぬ全長で登場のこの新しいステーションワゴンも、従来型と同様「大容量の荷物スペースよりも、むしろセダン以上に美しいルックスこそが最大の売り物」というのが第一印象。

ワゴンボディながらノイズや振動の悪化をほとんど感じさせず、「乗ってしまえばセダンと同じ」と、そんな印象が強いセダンと同様バリエーションの2モデルをサクサクとチェックの後、首都高→第三京浜と乗り継いで30分弱で到着したのは、初めて訪れる『トレッサ横浜』。“横浜”を名乗るにはちょっとばかり無理がありそう(?)な東海道新幹線の新横浜、東急東横線の綱島、京浜東北線の鶴見という3駅のちょうど真ん中というロケーションに位置するこの大ショッピング・モールは、実はトヨタ自動車が(株)トヨタオートモールクリエートなるショッピングセンター運営のための子会社までを設立し、今年の春に全施設をグランドオープンさせたものとか。

で、その一角にあるオフィスへの所用ついでにちょっとばかりこちらも“見学”をさせてもらうと、基本的にはそれは昨今全国にありがちな大規模ショッピング・モールそのものの様相。ただし他とは異なる最もユニークな特徴は、前述のごとき理由からトヨペット店にカローラ店、トヨタ店にネッツ店、さらにはダイハツ店・・・と、そうしたディーラーが軒を連ねてテナントを持ち、まるで“ミニ・モーターショー”のごとく車両の展示を行っている事。平日の夕刻だからか、「リヨンの街並みを再現」(!)とされるそうした車両展示スペースの周辺はやや閑散とした状態だったけど、3000台分近くが用意をされる駐車場も一杯になるという休日には、人の流れも変わるのかな?

盛り上がりは今ひとつ?!

その後は再度“本当の横浜”に戻っての会食の後、夜になってもまだまだ蒸し暑く、せっかくのオープントップもとても開く気になれないままに、首都高での空いてる都心縦断からちょっとだけ東北道へと乗り込んだところで最後の所用を無事終了。

・・・と、何だかんだと複雑な今日1日の行動をしっかり深夜まで付き合ってくれた相棒は、世界限定1960台。内、日本への割り当ては(何故か)37台という、ボクスターSベースの『RS60』なる限定モデル〜。
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プロフィール
河村康彦
自動車誌の編集部員からジャーナリストに転身。主要自動車専門誌で鋭意活躍中。

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