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杉山駒吉のブログ

2006年03月27日

「その時歴史は動いた」 ラリーアートの生い立ち vol.2

しかし、ここで問題が生じてきた。

それは輸入と輸出を一つの会社では出来ないという規定が当時あり、国内販売は又別会社をつくる必要が出来てきた。

そのため又筆者が社長の自工子会社、菱和貿易を設立することにした。

又その頃大型重量トラックから軽4輪車までをカバーしている三菱ブランドとスリーダイヤモンドのマークでスポーツキットを販売する不具
合が生じてきた。偶々同じように大型トラックから小型車まで生産販売しているイタリアのFiatがモータースポーツ部門にFiatとは別ブランドのAbarth ( アバルト)と蠍のロゴを使ってモータースポーツ活動を行っていたので三菱自工も菱和貿易設立と併せて別ブランドと別ロゴを考えよ
うということを思いついた。

そして、その頃大沢商会からDICに転職してきた内田周正君と小生で先ずRALLIARTというブランド名を考案した。しかし当時、このRALLIARTという言葉が英、独、仏、西その他世界のどの主要言語でも問題ないグローバルに通用するブランドだとは知る由もなかった。そしてロゴは横浜ゴムのADVANのロゴをデザインしたデザイナーに当時の金で500万円でデザインしてもらった。費用はDICが払った。

しかし又ここで問題が起きた。それはこの菱和貿易という三菱自工の子会社の設立が自工の常務会で否認されたことである。更にRALLIARTなどというどういう意味かわからないようなブランドを三菱製品につけるわけにはいかないという常務さんの何人かの意見が出てきた。

しかし、これは30年以上前の当時の保守的な三菱重工出身の自工のご幹部にとっては当然過ぎる当然なご判断だしご意見と筆者は思った。

この常務会否認のニュースを偶々自動車運転免許の更新で早退して自宅で電話で聞き、一体どなたが常務会で菱和貿易の設立に反対なさったのかと尋ねたら久保社長が反対されたとのことだった。理由は子会社を作るのが趣味のような杉山の趣味に会社は付き合っていられないといわれて否認されたとのことだった。


慌てた筆者は翌日早速久保社長に会い、その必要性を熱心に説いた。否認の理由が理由だったので久保社長もすぐ笑いながらOKして下さった。あの時の久保さんの温情ある暖かい笑顔を筆者は今も忘れられない。

常務会で否認され、それも社長が反対したのでは仕方がないと、筆者があの時諦めていたら、そして久保さんの出る釘を打たれても打たれても粘って出てくる筆者を温かく見守ってくれた温情がなかったら今日のラリーアートはなかった.リコールその他不祥事で一度地に落ちた自工の三菱ブランドを時に大きく支え、時としてはそれに勝るサブブランドとしての価値を発揮しているラリーアートは、「歴史はその時動いた」ではないがあの時の筆者の粘りと久保さんのご決断がなかったら日の目をみなかったろう。

以上
09:00:00 - 杉山駒吉 - トラックバック(0 -



2006年03月20日

「その時歴史は動いた」 ラリーアートの生い立ち vol.1

三菱自動車工業社史にも記載のないが今三菱のサブブランドとして国内、海外で時には三菱ブランド以上の価値を発揮しているブランド、ラリーアートの生い立ちを、その当時の当事者として後世に残す必要があると思い、このプログを思い立った。

昔、1972年頃から三菱ランサー、1600GSRがオーストラリアのサザンクロスラリーで続けて毎年総合優勝し更に続いて東アフリカのサフ
ァリラリーでも2年、総合優勝した。

そのため俄然、海外、国内でランサーの知名度、特にスポーティー車としての名声が上がり、(それが今日のスポーティー車としてのランサーの名声に繋がっているのだか)それに伴ってランサーの スポーツキットの需要が国内外で起こり、国内では当時国内販売を担当していた三菱自販がランサーのスポーツキットを販売し海外は自工の輸出部が行い始めた。

ところが当時、国内では暴走族問題が深刻になりだし、自動車メーカーでのスポーツキットの販売は難しくなってきた。

そのことを聞いた筆者は偶々、自工の北米向け輸出の部長だったが兼務で米国クライスラー車を輸入して三菱の販社に販売してもらうためのダイヤスターインターナショナルコーポレーション(DIC)という自工子会社を設立し社長になっていたので、この会社で国内でのランサースポーツキットの国内販売と輸出も行うことを会社に提案した。当時困っていた会社も渡りに船でこの提案を承認した。

そして実際の国内の販売は4輪車と2輪車のレーサーでスポーツキットの販売やタイヤのテストやモータースポーツのエベントを手がけていた益子治氏が社長のテスト&サービスが行ってくれることになった。

そして、ここに自工のランサーのラリー活動の側面援助の態勢は出来上がりラリー活動と併せ業務は快調に滑りだした。

以下次回
09:07:38 - 杉山駒吉 - トラックバック(0 -



2005年11月18日

小生Blog 第10号 最終回

小生Blog 第10号 最終回  
GM、Fordは日本車との戦いで生き残れるか
    米日 自動車戦争の行方   第10回

しかし、ここに来て米国における米日自動車戦争にとって更に両者の差が開く大きな要因が突発してきました。 それは燃料の急激な高騰です。
ここでもGMが更なる間違いを犯していることが明白になりました。又その退潮を更に後押しするマイナス要因も発生してきてしまいました。  即ち前者は燃料高騰にたいするGMの戦略の間違い、特にハイブリッド車への対応であり後者はデルファイの破綻です。
前者については日本車メーカー特にトヨタとホンダがフルサイズ・ピックでビッグ3の牙城を脅かしながら一方で燃料問題では長期的には燃料電池車の開発を進める一方、ハイブリッド車の開発を進めてきました。 
こういった和戦両用の構えで進んできた日本車に対してGMは最後の聖域、フルサイズ・ピック市場への日本車の進出に怯えて、前記T900プロジェクトを前倒しするなど、それへの対策に全力を上げて燃料高騰対策をおろそかにしてきた。それが大きく裏目に出てきました。
それについては最近、GMのバーンズ副社長の次のようにはっきりその戦略の間違いを認めています。「GMは90年代半ば、燃費、環境対応の車として燃料電池車で進むことにしてハイブリッド車などは、それまでの繋ぎと見くびっていた」。その戦略の間違いが更に落ち目のGMの退潮を加速させてしまいました。
しかし、この燃料高騰も過去の歴史から見ても、いつまでも続くとは思えず、やがて終焉すると米日自動車メーカーは見ていると思います。
その暁には米国消費者にとって絶対必要なフルサイズ・ピックアップ・トラックへの需要が当然ながら復活するでしょう。そして米日自動車フルサイズ・ピックの競争は再燃するでしょう。
そうなると、いよいよ米国でカリホルニア、フロリダと並んで自動車の3大市場、テキサスを中心の南部での日米大決戦が始まります。
50年前、4気筒の超軽量のフェザー級で勝負にならずビッグ3に洟もひっかけられず叩かれ放題叩かれてリングの隅で鼻血を出して蹲っていた日本車が成長に成長を重ね、今や 5.5 L超の大型V8のフルサイズピック、米国最重量のヘビー級で 人種偏見のディープサウス、南部のテキサスで同じ相手に挑戦する日米決戦のゴングがやがて燃料問題の落ち着きを待って鳴り響きます。
50年前、日本車がコテンパンに叩かれたフェザー級の試合を見て来た小生として50年後に今度は最重量級のヘビー級で同じ相手と闘う日本車の試合が見られるわけです。 しかも、これでレフェリーが日本車の右手をたかだかと上げれば、これがGMの引退試合になるわけで多分、小生の目の黒い中にこの試合も観られそうでビジネス人生最高の愉しみです。
                             
13:53:21 - 杉山駒吉 - トラックバック(0 -



プロフィール
杉山駒吉
東京都生まれ、東大工学部卒。 三菱商事入社後、三菱自工発足と同時に同社に転籍。同社常務。米国三菱自動車販売(株)初代会長。広告代理店 アイアンドエス社長。パンパシフィックコーポレーション社長、自動車流通コンサルタント。

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